サマーキャンプ2012レポート/アーキエイド・インターン日誌 9月/名古屋工業大学 山田実加

地域支援インターンの名古屋工業大学北川研究室の山田実加です。お久しぶりです。2回目のインターンレポートとなりました。宜しくお願いします。

アーキエイド牡鹿支援活動では、8月24日〜26日に【サマーキャンプ2012】を行いました。
昨年の牡鹿半島では高台移転が先行していましたので、どこに住むのかという問題を住民の方々と話し合い意見を出し合いました。今年のサマーキャンプでは、どんなまちにするのか、という更に大きく捉えた問題をヒアリングし、将来像を描くことを目標としました。全国の大学から12のチーム、総勢100人の学生が参加しました。昨年のサマーキャンプとの違いはこちらです。

7月〜8月はサマーキャンプの準備期間として福屋研究室の学生さんと進めてきました。
昨年のサマーキャンプは福屋研究室が中心となり、東北工業大学・東北大学の学生がチームを組んで運営を担当していましたが、今年は牡鹿支援大学の学生さんたちと作業を分担し準備を進めました。

津波で家が流された低平地の活用方法を考えるために「漁業集落防災機能促進事業」という事業の活用を念頭にリサーチの構想を進めていきました。
牡鹿支援大学では月に一回、東京勉強会をおこなっていますが、サマーキャンプ前に臨時東京勉強会を行い、低平地の活用方法について参加大学で勉強し共有しました。今年の春には参加学生も「漁集(漁業集落防災機能促進事業)ってなに?」という状態でしたが、各自勉強をし、各大学の担当浜に適した事業の使い方を模索してきました。参加学生から教えてもらうことも多々ありました。
また、昨年の成果や反省を踏まえて、会場準備や提出図面等、事前に問題点を洗い出し準備してきました。とは言っても、いざ当日となると大変慌ただしく、大人数での行動となるので、3日間のサマーキャンプで福屋研究室の学生は寝る間も惜しんで準備をしていました。今年の参加マニュアルはこちらです。


1日目はオリエンテーションを行い、牡鹿支援の各ワーキンググループの活動報告、牡鹿半島で活動をしているボランティアさん、地元の活力ある人々に発表をして頂きました。この日は、石巻市集団移転対策課、石巻市牡鹿総合支所、愛知ボランティア久田光政様、OPEN JAPAN奥田弘幸様、オンザロード様、牡鹿漁協女性部、JEN様、ゲストコメンテーターに尾形和昭(石巻まちづくり会社 株式会社街づくりまんぼう副社長)、斎藤富嗣(石巻観光協会 副会長 牡鹿半島癒しの旅委員会 副委員長)、その他大勢の方にご参加頂きました。牡鹿半島で支援活動しているのは、私たちだけではありません。地元の方々も漁を頑張る人、観光を考えている人、など様々な人の様々な考えがあります。しかし、牡鹿半島にいる人々の考えは、良いまちにしたいという共通の目的からうまれていると思います。いろんな人がいますが、その活動を理解して認めあい協力することでそれぞれの活動がもっと良いものになればと思います。


オリエンテーション/半島全体の未来をみんなで考える会(大原小学校)


オリエンテーションの後、各大学は担当浜へのヒアリング調査に向かいました。私も昨年からの担当浜のヒアリングに同行しました。浜の方々の関心事項は防潮堤であり、今後の漁業作業に支障をきたすのではないかという不安の声を多く耳にしました。また、低平地の活用については、「納屋を建てたい」という意見が多く、早く漁業を軌道にのせたい漁師の方々の想いを汲み取り、みなさんと今後の低平地の使い方についてまとめていきました。住民同士、また外部の人々との交流の場も必要だという意見もありました。震災前は豊かな資源に溢れ、閉じた浜でしたが、震災後にボランティアなどの外部の人々とふれ合い、外との繋がりを意識するようになったといいます。浜の人々の変化が前向きな土地活用の意見に表れていると感じました。


名古屋工業大学による住民へのヒアリング調査(福貴浦会館)


1日目の夜は参加学生と住民の方々との懇親会を行いました。鮎川で空き家をお借りしているので、その家主さんのお宅の前でBBQとお酒を楽しみました。現地の方々との交流はもちろん、牡鹿支援をしている他大学との交流により、全国から牡鹿支援に参加している学生同士での情報交換や建築の話など充実した時間を過ごしました。


住民の方々との懇親会(鮎川の家)


2日目は朝早くから大学チームが鮎川に向かい、仮設商店街の隣に横浜国立大学小嶋先生の設計した仮設テントMOOMを総勢40人で立ち上げました。
このテントは全長25mもあるとても大きなテントです。夏の炎天下の中で学生さんたちが2時間汗を流しながらテントを完成させました。中には暑さでダウンしてしまう学生さんもいましたが、鮎川の土地で若い学生の活力が大きなテントを完成させ、出来た美しいMOOMは圧倒的なエネルギーにあふれていました。


MOOMの立ち上げに参加する大学生(牡鹿のれん街/鮎川浜)


2日目も各大学の担当浜へのヒアリングが行われていました。今年は牡鹿オートキャンプ場に多くの学生が宿泊したので、宿泊所で調査内容をまとめる姿や、研究室の先生と学生とのミーティングが行われていました。この日は宿泊所の電気が消えることはありませんでした。


宿泊所で作業を進める筑波大学の学生(牡鹿オートキャンプ場)


深夜にミーティングを行う法政大学チーム(牡鹿オートキャンプ場)


3日目は調査した浜の報告会を行いました。住民の方々にもお越しいただき、大学チームのリサーチと低平地の活用プランについてコメントを頂きました。当日は、リサーチを担当した大学だけではなく、石巻市副市長の笹野健氏をはじめとして東北大学 小野田泰明先生、東北大学大学院災害科学国際研究所准教授 平野勝也先生、石巻市集団移転対策課・水産課・復興政策課、震災復興部、牡鹿総合支所、昭和(株)様、(株)サンワコン様、(株)オオバ様、NPO法人 JEN様にも来場して頂きました。副市長の笹野健氏からは復興に対して「このように浜ごとに考えていくことが大切。制度のひとつひとつにできることは少ないが、それらを組み合わせて浜全体としてどうするか示すことが必要。ありがたい。」というお言葉をかけて頂きました。


調査報告会/半島の浜の未来をみんなで考える会(大原小学校)


8月26日にサマーキャンプが終了し、その後参加大学が驚異的な早さで図面を仕上げ、8月中に牡鹿半島全浜の調査報告書が揃いました!牡鹿支援では全国の12の大学が参加しています。各大学が責任をもって、且つスピーディーに図面が仕上がります。
9月は「漁業集落防災機能強化事業」の申請に向けて石巻市関係各所の方々の会議に同席しました。サマーキャンプの成果図面を石巻市にお渡しし、低平地について何度も会議を行いました。成果図面もその都度アップデートしていきます。

一日も早く浜のみなさんの住む場所が、豊かなまちになるよう、アーキエイド牡鹿支援では高台移転、低平地活用、住宅供給などこれからもスピードを緩めず支援を続けたいと思います。


もう一つ、私は4月から地域支援インターンとして活動してきましたが、9月末まででインターン期間が終了しました。これまで牡鹿支援大学の先生方、学生のみなさんとともに多くを学ばせていただきました。復興がどのように進んでいき、またこのような事態に建築家、建築を学ぶ人がやるべきことを、多くの人から学び、経験させていただいたことは大変貴重な時間でした。これからも学生として、建築を仕事にする者として、震災によって意識が大きく変化した者として、復興支援をつづけていきます。
これからも宜しくお願いします。



アーキエイド地域支援インターン
山田実加 Mika Yamada(名古屋工業大学北川啓介研究室学部4年)

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