アーキエイドインターン日誌/犬塚恵介

アーキエイド、地域支援インターンに参加してはじめて日誌を書きます、犬塚と申します。2012年9月中旬より、アーキエイドの地域支援インターンとして、東北の復興支援に参加しています。

私は約5年半の間、組織設計事務所に勤務し、建築の設計監理に携わってきました。入社して4年が過ぎようとしていた時、東日本大震災が発生しました。東北の方々はもちろん、復興に携わる人々の姿を見ていると、人の一生というものについて深く考えさせられます。そういった出来事も影響し、自分の建築人生の次なるステップに進むために勤務していた設計事務所を辞める決意をしましたが、「東北へ復興支援に行くのは今しか出来ないのではないか」と思い立ち、今は転職ではなく東北へ来る道を選びました。
今はまだ仙台に足を踏み入れて1週間しか経っていないので、復興の現状と自分の役割を探る日々を過ごしています。たったの1週間ですが、石巻市役所の打合せに参加し、牡鹿半島や気仙沼、陸前高田の現状や気仙沼のワークショップを見て回ることが出来ました。


今回の日誌では、気仙沼のワークショップについて、私の主観的な感想を綴りたいと思います。

気仙沼市役所では「記憶の街ワークショップ」が開かれ、建築学生によって作成された震災前の街を復元した模型を基に、住民の方々から話を伺い、住民の記憶の中にある情報を引出し、それを模型上に留めていくという作業が繰り返し行われていました。はじめは、震災前の街の情報を記録することは非常に大切なことだと、ただそれだけの視点でワークショップが進んでいく様子を見ていましたが、そこでは私の予想していなかった様々な出来事が生じ、街というものについて深く考えさせられるワークショップとなりました。

 

模型を見た住民は、ここには○○があった、ここでは○○が起きた、ここでお祭りが開かれていた、と次々に自分の記憶を話します。ところがある程度の情報を話したところで、あんまり覚えていないなという声が聞こえてきました。ところが模型の周りに一人、また一人と住民の方がやってくると、住民同士が、ここに○○が無かった?○○の隣だよ。と話しながら、さらなる情報が引き出されます。ワークショップを通じて住民が出会い、そして街の記憶が発掘されていきます。そんな姿を見ていると、街というのは個人の集まりではなく、個人と個人の繋がりによって形成され、継続されていくものなのだということを再認識することが出来ました。そしてその繋がりは、今でも街に存在し今後に継続することができることが、このワークショップを通じて感じられます。住民の方々の記憶の中にある街が、今後の街に引き継がれながら再興されることを願うばかりです。

 

今回の震災によって失われた多くの街が復興へ向けて歩んでいますが、そんな街に住民の記憶の中にある街を想う気持ちを少しでも込められるように、住民との距離感を大切にしながら復興支援をしていけたら良いなと思いました。そして、ただ、街を復興するのではなく、住民の方々が幸せな生活を逸早く取り戻せるように尽力したいと思っています。




アーキエイド地域支援インターン
犬塚恵介
1984年 愛知県岡崎市生まれ
2007年 豊田工業高等専門学校専攻科建設工学専攻修了
2007年~2012年 株式会社伊藤建築設計事務所勤務
2012年 アーキエイド地域支援インターン参加

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