【インターン日誌】鮎川港まちづくり協議会に参加して

こんにちは。地域支援インターンの名古屋工業大学大学院の坂井文也です。6月以来3回目のインターン日誌となりました。これまでのインターン活動を振り返り、報告をしたいと思います。

私が主に活動を行っているのは、宮城県石巻市の牡鹿半島というところですが、そのなかで最も集落規模の大きい浜が鮎川浜です。鮎川浜は、鯨の町として栄え、金華山への玄関口として、牡鹿半島における観光の中心地です。東日本大震災により、鮎川の商・観光業の地であった観光桟橋周辺も、甚大な被害を受けました。現在、鮎川浜では観光桟橋周辺のにぎわいを取り戻すため、再開を検討している商・観光業者が協議を行っています。私のインターン活動は、この鮎川の商・観光業者による協議会の支援を中心に行ってきました。
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高台から鮎川港を望む/鮎川浜

 
6月末に商・観光業者を対象に、牡鹿総合支所より説明会が行われました。模型や図面により、今後の観光桟橋周辺の計画の概要について説明があり、また、この時点での計画は決定ではなく、実際に再開される商・観光業者とともにより良い計画にしていきたいという話もありました。それまでの鮎川浜では、住民が主体となって、将来の街について話し合う場がなかなかもたれませんでした。特に鮎川浜のような大きな集落では、説明会を開くのも大変です。住民が日々の仕事もありながら、話し合いにも参加するのは簡単なことではありません。しかし、この説明会後から牡鹿総合支所と住民との間で徐々に準備が進められ、8月に住民協議会の設立にいたりました。
その中で、私の役割は会議の記録をとること、また牡鹿総合支所の用意する資料に補足する形で、スケジュールや協議会規約などの資料の素案を作成することでした。
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模型を使った計画の説明風景/鮎川地区 まちづくりに関する商業者説明会

 
そして、8月6日に鮎川浜で再開を検討する商・観光業者が集まり、住民協議会が設立されました。協議会の名前は「鮎川港まちづくり協議会」に決定し、いよいよ始まるのだという気持ちの高まりがありました。
この協議会は、主に鮎川浜で再開を検討する商・観光業者が主体となり、そこに牡鹿総合支所がサポートしながら運営をしているのですが、さらに土木コンサルタントや、建築的なアドバイスを行う横浜国立大学の小嶋教授、東北工業大学の福屋講師が参加しています。私は、特に遠方から参加する横浜国立大学と現地との調整役のような立場で、資料作成等の事前準備を行いました。
会議風景パノラマ
協議会会議風景/第1回鮎川港まちづくり協議会

 
続いて、8月28日には、2回目の協議会が開かれ、ここでは現状の計画について説明がありました。また、齋藤会長から「まちづくりを進めていく上で、全員の方向性をひとつにしたい」と呼びかけがあり、将来の鮎川港や観光のアイデアについて参加者全員に意見を求めました。会員からは、「また来たくなるような美しい街並みが重要」、「ホエールランドを宣伝したい」、「鮎川を通っていく金華山への観光ルートを構想すべき」等、将来の街の姿、建設される施設への意見、観光を活性化させるアイデアや質問が多く出ました。初めて住民の皆さんの多くの意見を聞き、この熱い思いを残さず記録しなければという気持ちで必死に板書をしました。
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会員に呼びかける齋藤会長/第2回鮎川港まちづくり協議会

 
9月11日に行われた第3回では、参加者の関心が強かった「観光」について考える回となりました。JTBの阿部氏、環境省の似田貝氏、横浜国立大学の小嶋教授、東北工業大学の福屋講師より、事例を交えながら、今後の鮎川浜の観光についてヒントを与えてくれるようなお話をしていただきました。それらを踏まえ、参加者に、鮎川浜のまちづくりをどのようにしていきたいかということを「まちづくりカード」に記入していただきました。これが、まちづくりの目標をまとめていくための、素材になっていくのですが、その内容は様々で、改めて住民の方の意見を知ることができました。
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小嶋教授による講話/第3回鮎川港まちづくり協議会

 
まちづくりカードを回収し、まちづくりの目標をどのように話し合っていくべきかを、アドバイザーである福屋先生や横浜国立大学とともに検討しました。参加者が意見を言いやすい会議形式が望ましいことから、WS形式を採用することにしました。WSを行うためには、ファシリテーターという話し合いを仕切る役割が必要なのですが、その役割を、東北工業大学の学生と私が協力して務めることになりました。経験のない私たちができるのか、不安でしたが、事前にロールプレイ等を行いながら、準備を進めました。
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WSのロールプレイ風景/東北工業大学

 
9月28日の第4回は、予定通りWS形式でまちづくりの目標について話し合いました。この回は私が参加できる最後の協議会でしたので、とても気合が入りました。2テーブルに別れ、緊張しながらも事前に練習していた通り進み始めましたが、話し合いの雰囲気をうまく作ることができませんでした。それでも参加者の皆さんに助けられながら、時間内にまちづくりの目標についての発表まで進めることができましたが、練習では知ることのできない実際のWSの難しさを痛感しました。
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まちづくりの目標について話し合う参加者/第4回鮎川港まちづくり協議会
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話し合ったことを発表する参加者/第4回鮎川港まちづくり協議会

 
私のインターン期間中に参加させていただいた4回の協議会を振り返ると、具体的な計画について話し合うための準備段階であったように思います。復興計画は、より早く決定していかなければならないことが多く、鮎川浜の観光桟橋周辺の計画についても同じです。そのため、すぐに計画について直接議論しようとしがちで、これまでの4回の協議会は、計画を進める上で遠回りをしているようですが、まずは、参加者が主体となって「よし話し合うぞ」という雰囲気づくりがとても重要ではないかと思いました。そのためには、参加者が疑問を解消することや、参加者同士が考えていることを理解し合うこと、さらには参加者が自ら判断できる材料を得ることが必要不可欠であります。もちろん、限られた時間の中で、何でもできるわけでもないため、同時進行で進めていくことも必要でした。そうした話し合いの道筋を最初に決めていくことの重要さも感じました。実際に第4回の協議会で、参加者がWSでまとめた意見を生き生きと話されているが印象的で、この5ヶ月間のインターン活動の中で最も興奮した場面です。協議会を終えた参加者が笑顔で帰っていくのを見て、本当に良かったと思いました。

私は、9月いっぱいをもってインターンが終了しました。復興の長い道のりのほんの一部分でしたが、多くの関係者にお世話になり、貴重な経験させていただきました。特に鮎川浜の皆様とお話しすることができたのが何より嬉しかったです。また牡鹿半島へ行けるときが楽しみです。
今までの頻度では牡鹿半島に通うことはできませんが、これからも復興支援活動を続けていきたいと思っています。今後ともよろしくお願い致します。

アーキエイド地域支援インターン
坂井文也 Fumiya Sakai(名古屋工業大学北川啓介研究室修士1年)

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