【現地レポート】雄勝《雄勝未来会議》雄勝スタジオ提案発表および住民説明会

 東北大学五十嵐太郎研究室の田中良平です。2012年8月19日に石巻市雄勝地区で催された「雄勝未来会議」についてレポートします。

 雄勝未来会議は4月から設計課題として石巻市雄勝町の復興計画に取り組んできた学生の成果発表と、雄勝総合支所による復興計画案の住民説明及び意見交換が行われる場として開かれ、約350名の住民の方が来場されました。

雄勝《雄勝未来会議》雄勝スタジオ提案発表および住民説明会


 第一部「雄勝の未来を語ろう」では、東京芸術大学、東北大学、日本大学、立命館大学から構成される雄勝スタジオが雄勝地区復興計画案を住民の方々に発表し、成果物をロビーに展示しました。
 東北大学は「雄勝中心部」と「大浜」という集落で、マスタープランや高台移転、浜の将来像を考えてきました。かつて雄勝中心であった伊勢畑地区に新たな雄勝の中心部をつくります。海が見える高台の住宅地、公共施設、商店や海の駅などがコンパクトにまとまり、伝統とつながることで再び雄勝らしい賑わいを取り戻します。

雄勝《雄勝未来会議》雄勝スタジオ提案発表および住民説明会


 大浜では現在、雄勝地区の小学校・中学校を1カ所にまとめた小中併設校をつくる計画が勧められています。雄勝法印神楽発祥の葉山神社もあり文化、教育の中心となることを想定しながら、旧県道を散歩道として再整備する提案をしました。

大浜スケッチA4-01

 日本大学は「名振」「船越」「波板」の三浜の高台移転の造成計画案と、雄勝の特徴的な茶の間・オカミ・座敷と続く2×3の間取りを取り入れた復興住宅の提案を行いました。実際に生活する場として具体的な提案がされていたので、住民の方との意見交換も活発に行われていました。


名振
名振


船越
船越パネル


波板
雄勝《雄勝未来会議》雄勝スタジオ提案発表および住民説明会

 東京芸術大学は現存する旧桑浜小学校を地域の人々の拠り所として改修保存する計画です。住民の方が使いやすく日常的に活用できる場所として、集会室やキッチン、共同作業室の提案をしました。いずれは雄勝を訪れる人達と交流できる場となり、旧桑浜小のたたずまいを未来へ受け継ぎます。

雄勝《雄勝未来会議》雄勝スタジオ提案発表および住民説明会

 今回の提案発表の前には約半年にわたり、様々なリサーチを行いました。東京芸術大学、東北大学、日本大学の三大学は3月・4月に、民家や板倉の合同実測調査を行いました。その後それぞれの大学で雄勝を訪れ、リサーチやヒアリング、実測を重ね、雄勝への理解を深めていきました。ある浜で住民の方にヒアリングをした時に、土地利用の変化や建物は建設時期、住まい手にいたるまで、自分が暮らしている浜についてはなんでも知っておられ、浜と人との強いつながりを実感しました。

雄勝《雄勝未来会議》雄勝スタジオ提案発表および住民説明会

 第二部では、6月に行った住民意向調査の結果や各地区の高台移転候補地の工事工程、中心部のゾーニング図などが支所から報告され、続いて第三部の意見交換会に移りました。

雄勝《雄勝未来会議》雄勝スタジオ提案発表および住民説明会


 様々な意見がありましたが、学生案に対しては「中心部の学生案なら多くの人が雄勝に戻ってきてくれるはずだ。ぜひ支所もこのような形で計画を進めて欲しい」というような声もありました。

IMG_7790


 各大学がそれぞれの地区について入念なリサーチをし、雄勝の魅力を自分たちで発見し、雄勝らしさやこれからの雄勝についてよく考えた上で復興計画案を構想しました。大きく変わる生活環境のなかに雄勝らしさを作り出す。海と漁師、今まで密接に結びついていた関係がなくなってしまわないように雄勝の文化、日常が未来へと続くよう浜ごとの丁寧な計画が必要だと感じました。 



雄勝《雄勝未来会議》雄勝スタジオ提案発表および住民説明会

田中 良平 TANAKA Ryohei (東北大学五十嵐太郎研究室学部3年)

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