【レポート】塚原公会堂(南相馬コアハウス)落成式

5月17日にコアハウスワーキンググループ(筑波大学貝島桃代研究室+東京工業大学塚本由晴研究室)が設計した塚原公会堂の落成式が福島県南相馬市小高区で行なわれましたので、公会堂建設の経緯と落成式の様子について報告します。

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福島県南相馬市小高区は、東に太平洋、西に阿武隈高地を抱え、小高川の豊かな恵みのもと、水稲や畑作を中心とした農業を基幹産業として発展してきた温暖で自然豊かな地域でしたが、東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、小高区全域が20Km圏内の警戒区域に設定され全住民が避難を余儀なくされました。平成24年4月16日に警戒区域の見直しが行われ、避難指示解除準備区域、居住制限区域及び帰還困難区域に再編され、これらの区域に自由に立ち入りが出来る様になりました。しかし、除染計画を初めとした地域の復旧・復興計画は遅れ、地域住民がふるさとへ戻れない状況下で、どの様に地域のコミュニティを維持するのかが大きな課題となっています。同地区では、沿岸部の平坦地にあった多くの家屋や集会施設が津波で流失し、残された家屋も3年を超え、住み手を失ったまま放置された結果、一部では廃屋化しはじめています。

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アーキエイド、半島支援勉強会コアハウスワーキンググループでは、宮城県石巻市牡鹿半島地区の復興の一助として、地域再生最小限住宅板倉の家の提案を行いました。この活動がNHKに取り上げられ、コアハウスを知った同区塚原行政区長今野由喜氏より平成24年9月に連絡をいただきました。以降、同年11月には南相馬市を訪れ、住民にコアハウスの説明を行い、同地区のため自力再建住宅として、南相馬コアハウスの設計を依頼され、
「南相馬のための地域再生最小限住宅」を平成25年1月の塚原地区の新年会で発表し、
多くの関心を集めました。その様子はローカル紙にも紹介されました。

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こうした背景のもと、同行政区の集会所を、前述の「南相馬のための地域再生最小限住宅」の分棟タイプとして建設することとなりました。設計はコアハウスワーキンググループ(筑波大学貝島桃代研究室+東京工業大学塚本由晴研究室)が担当しました。構成は、母屋を集会所、分棟を会議室とキッチンとし、この間に中庭があり、手前に縁側がついています。構造は板倉構造で、建設は地域材を活用し、地域建設グループによって進められました。また建設にあたっては、多くの助成金や寄附金、資材寄附のご支援がありました。

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人々の拠点となるこの集会所の建設は、地域復興のシンボルであり、同様に被害をうける沿岸部集落復興のための自力再建モデルとなるものです。災害によって多くをうしなった地域において、建物が建つことこそ人々を勇気づけるものはありません。震災後同地区初の新築となったこの公会堂は、復興の歩みの遅さにもがきながらも、地域の復興を信じる住民にとって、未来への光となるとともに、将来設計のための良き青図となることを心より願っています。

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次に落成式の様子を報告します。落成式当日は天候にも恵まれ、塚原地区の住民、南相馬市長、建設への寄付をいただいた日米協会の方や資材寄附をいただいた関係者の方、建設工事関係者の方など、多くの来賓者が塚原公会堂を訪れました。落成式では集会室で神事が行なわれ、塚原行政区長今野由喜氏から日本語と英語によるスピーチがありました。

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公会堂の庭では記念植樹が行なわれました。アーキエイドからは犬塚恵介氏が代表して記念植樹を行ないました。記念植樹の後は、来賓者全員で公会堂を背景に記念撮影を行ないました。

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落成式終了後には、落成記念パーティーが行なわれました。公会堂中庭での餅つきの様子です。塚本由晴先生や来賓者も餅つきに参加されました。

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住民の方からの催し物として塚原神楽保存会による神楽舞、癒しの会によるああふるさと小高踊りが披露されました。また筑波大学からの催し物として、「故郷」の合唱を行いました。催し物の後は、つきたてのお餅をいただきながら、公会堂落成をお祝いしました。

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この公会堂建設は小さな建物のプロジェクトですが、多くの方々との話し合いや、つながりによって成立したプロジェクトです。今後もこのつながりを大切に、持続的な復興支援活動、現地での活動をお手伝いできる新しい仕組みを考えていきたいと思います。
以上で塚原公会堂落成式の報告を終わります。ありがとうございました。

筑波大学貝島桃代研究室 M2小菅良平

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