3.11から約2ヵ月後の福島県いわき市4(平、弥勒沢、子ども、観光地)

[視察者]佐藤久美子(東京理科大学修士2年、千葉県内在住)
[視察日]2011/05/03~2011/05/09(東日本大震災から54~60日)
[視察地域]福島県いわき市(いわき湯本を中心とする地域)
[視察目的]調査・研究、ワークショップボランティア
【平地区】
いわき市平地区の田園では、通常なら田植えが進んでいる時期ですが、今年は放射能による水等の影響を考慮しギリギリまで判断を遅らせているそうで、5月5日に私が見たところではほとんど水が張られていない状況でした。8日にはいくつかの田に水が張られ、少し遅れて田植えの準備が進められていました。
左:崩れた石垣 右:田植えの準備
【弥勒沢】
いわき市はもともと常磐炭坑が栄えた、映画「フラガール」の舞台でもあります。今回の地震で断層がずれ、山にも大きな被害が出たそうです。「みろく沢炭砿資料館」を訪ねる途中の道で、崖崩れや、道路に落下した岩をいくつか見かけました。
今回見た中で一番大きな落岩 一度落ちたところに穴が空き、さらに道路がへこんでいました。
【子どもについて】
小さなお子さんのいる保護者の方々は特に、いわきに住み続けるかどうか、ここ2ヶ月とても悩んだそうです。小学校では、新学期のの節目に数名転校する子もいました。内部被爆を考慮して、マスクをしている子どもも多かったです。学校で体育を屋外でさせるのか、給食の牛乳を飲ませるのか、判断すること、その判断がどのように思われるか、ひとつひとつにものすごくストレスがかかります。外で自由に遊ぶことが出来ない状況にストレスを抱えている子ども達もいます。
7日、湯ノ岳で行われたイベント「キッズオンパク」は、保護者の方と子どもが参加する子どもの遊び場で、毎回ボランティアの方が様々なワークショップを開催しています。遊ぶ場所も、室内・半屋外・屋外と選ぶことが出来、服装や食べ物も各家庭の判断に任せることになっています。お互いを決めつけ合わない、ゆるやかなルールと関係性があり、お母さん同士、子ども同士が大勢集まって過ごせるこのような場は貴重だと感じました。
【観光地について】
今年のゴールデンウィークに湯本温泉街を訪れた観光客はほとんどいないと、商店街の方から伺いました。確かに私も、地元の方、ボランティアの方、復興作業関係の方以外の、いかにも観光客という方は見かけませんでした。現在旅館に観光客を泊めていないことも理由の一つかもしれませんが、福島県は原発のイメージが強く、今後今までのように人が来ることを期待出来るか不安が残ります。農業などと同じように、観光業もその土地から動くことは難しい産業です。
放射能の被害は、関東を含む広い範囲に及んでいるとはいえ、いわきのような原発から近い場所ではより不安だろうと思います。そして、距離が近いことで受けるマイナスのイメージも大きいです。現地の方のお話を聞いていると、何度か、避難先で子どもがいじめられた等という話を聞きました。もちろん親切にしてもらった、という話も聞きますが、放射能に関しては、実害と風評被害の線引きがきっぱりと出来ないことがあらゆる場面で大きな問題であると感じました。
最後になりますが、私がいわきを訪れるのは3回目で、今回の一週間も楽しいことがほとんどでした。悲しい光景を目にし、辛い話を聞くことがあっても、お会いした方々は皆さん明るく接してくれましたし、子どもたちはとても元気でした。今までの生活を取り戻しつつある、元気な街もあります。それとは反対に、何から手を付けたら良いのかわからないような場所もまだまだあります。現地に行って初めて気づけたことがたくさんありました。その気づきを、次につなげていけるように考え続けて行きたいと思います。お世話になった皆様、本当にありがとうございました。
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