【レポート】お地蔵様プロジェクト/法政大学

 法政大学大学院下吹越研究室修士1年の稲村陸です。2013年10月28日〜11月7日にかけて行った、小積浜 お地蔵様プロジェクト・上屋工事について報告させていただきます。
 今回の工事は11日間の工程を21人の学生が参加しました。レポートは11人によるリレー形式で報告します。
 
 
 
―10月28日(担当:稲村陸)
 ついに法政大学渡辺+下吹越インディペンデントスタジオによるお地蔵様プロジェクト後半戦が幕を開けました。

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 初日は前回の基礎工事からの修正を含めた設計班、紙管によるコンクリート型枠を解体し、周囲を埋め戻す現場班、上屋に用いる木材の墨出しからダボ穴加工を行う加工班に分かれました。木材加工は私たちが宿泊させていただく小積浜集会所の前に木材を広げて行いました。
 1日目の作業は工事手順の確認や段取り、基礎の正確な測量と修正を重視して行うという方針でしたので、その点に関してはよく確認が出来ました。
 
 
 
―10月29日(担当:山下莉央)

 2日目は木材加工と並行しながら、一段目を組み上げるために基礎コンクリートの調整をしました。具体的には基礎の高さを揃える作業です。
 前回施工した基礎の高さレベルのばらつきをアルミ製スペーサーと一部の部材の下部を切り欠くことで調整しました。最終的には水平誤差2mm以内におさめることができました。スペーサーはフラットな面に置く方が安定するため、阿部区長からお借りしたディスクグラインダーでコンクリートを削りました。

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―10月30日(担当:飯田光太郎)

 3日目ともなると皆それぞれコツをつかみだし作業スピードが上がってきました。この日からようやく部材をくみ上げる段階へと移ることとなります。

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 基本的には設計図通り施工を進めて行きますが、どうしてもミリ単位の誤差が生じ、必要に応じて手作業での変更が必要になってきます。工事手順は、まず下段の木材のダボ穴にアルミパイプを置き、その上に加工前の材を置き、下面のダボ穴位置に印をつけていきます。この作業には、木材を固定する人、平行を確認する人、印を書き込む人とチームワークが試されますが、作業を重ねていくうちに各グループ同士の連携もよくなり、スムーズに施工は進みました。
 午後からは現場での作業が中心になりました。現場にボール盤を設置し、部材に穴をあける人、ノミでダボ穴の底を拡げる人、部材の割れを防ぐための番線を巻く人、部材を設置する人に分かれて作業を行いました。
 結局この日は2段目までの加工で終了しました。
 
 
 
―10月31日(担当:後藤正太郎)

 4日目は、1段目の固定から始まり3段目まで積み上げました。3日目と同様に作業は全員が工事現場で行いました。

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 写真のように、部材の端部は乾燥などによって木材が割れてしまうのを防ぐために銅線を巻きます。作業も4日目に入り、番線担当のメンバーがコツをつかんできた事で作業効率がかなり上がりました。番線の結び目がなるべく表側にこないように段数や位置によって巻き方を変える工夫も行いました。
 
 
 
―11月1日(担当:山田智大)

 5日目です。徐々に疲労が溜まってきたのか、休憩時間に野球をする者は消滅しました。前日は3段目途中で日が暮れてしまったので今日はその続きからスタートします。

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 角材を打ち込む際にはダボ穴の数だけ人数が必要で、しかも同時に打ち込まないとうまく固定されません。ダボ穴が2ヶ所の部材では、2人が部材に乗り同時に打ち込み、一人が水平に打ち込まれているかを確認します。
 牡鹿半島の海風吹き付ける寒空のもと、木材に穴をあけ、ノミを打ち、ハンマーを振りかざし、この日は7段目まで完成させることが出来ました。7段目までくると、お腹あたりまで高さがでてきて着実に積み上がっている実感がわいてきます。
 
 
 
―11月2日(担当:松井みか)

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 6日目はお地蔵様プロジェクトのお知らせ看板も設置しました。佐藤淳先生も到着されて参加していただきました。せり出した部分のダボを打ち込むために、先生がすごく頑丈な支保工を作ってくださり作業がしやすくなりました。たくさんの助言をいただき、順調に8段目から11段目まで組み上げることができました。
 
 
 
―11月3日(担当:飯田勇人)

 7日目、上屋工事の作業もいよいよ後半戦です。12段目の打ち込みから開始しました。メンバーも入れ替わり、新体制となりました。
 午前中に東北工大の福屋先生の取材をしていたNHKの方が来られ、渡辺先生や佐藤先生、学生では私と稲村がインタビューを受けました。
先生方が昼食後に東京に戻られた為、午後は学生だけでの作業になりました。
 段が高くなり、せり出しが大きくなった木材が沈むことが懸念されましたが、午前中のうちに佐藤先生に強靭な支保工を作成していただき、以降の作業がスムーズに進みました。

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事前に削ったダボ穴の位置のズレなどが生じましたが、学生だけで考えて進めていくことができました。
 
 
 
―11月4日(担当:村田翔太郎)

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 午前中は雨が降っていたため、休みになりました。
 その間に、買い出しへ向かい、最後の参加者を迎えに行きました。久しぶりのお店だったので、少しテンションが高い感じでした。
 午後は雨も上がったため、打ち合わせ後に作業の続きを始めました。15,16段目を打ち込みました。少しずつ高さが出てきて、慎重に打ち込み、番線を巻いていきます。16段目に15段目までのずれが積み重ねって図面通りに打ち込めない部材が出たため、夜に下吹越先生と話し合いながら解決方法を考えました。
 
 
 
―11月5日(担当:杉原由樹子)

 9日目、今日は風が冷たいです。
前日から残っていた16段目の修正事項を確認し、そこからは作業を順調に進めることができました。

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 作業人員に余裕があるので、完成時のパブリックビューイングに向けた準備をしました。端材で動画撮影のための台をつくります。
 今日は19段目まで組み上げを終え、その後21段目までの部材を置いて最終形態の確認を行いました。
 残した2段はまだ意匠上の検討が必要です。最終形態は明日決定します。
 
 
 
―11月6日(担当:田代祐也)

 上屋の段数も残り2段。いよいよラストスパートです。
 10日目はファサードの意匠上の最終チェックを行い、20段目のダボ位置決めから始まりました。21段目の加工まで終わり、残すは翌日の21段目を打ち込む上棟式のみです。

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 本日はお地蔵様の活動以外に、荻浜の牡蠣処理場の見学に行きました。牡蠣が上方から流れてくる様には圧倒されました。荻浜の皆様、作業中に見学させていただき有難うございました。
 
 
 
―11月7日(担当:大森惇平)

 11日目最終日です。
 午前中は宿泊していた場所などの片付け、大学でのパブリックビューイングに向けての準備などをしました。午後は天気が崩れ、雨が降っていましたが予定通り最後の段を打ち込みました。 最後の部材は阿部区長さんにも打ち込みをしていただきました。

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 工事が終わってから、阿部区長さんを始め住民の方々がBBQを用意してくださいました。肉、魚、石巻焼きそばなどどれもとてもおいしかったです。
 作業で疲れてご飯で癒されての繰り返しの11日間でした。しかし、東京ではあまり体験できない地域のつながりというものを強く感じることができました。地元の方々に喜んでもらえたことは自分の人生の中でも大きな出来事です。
 この活動をきっかけにこれからも復興の活動に関わっていきたいと思いました。
 
 
 
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 最後になりましたが、事故や怪我もなく、無事に工事を終わらせることができたのは住民の方々のご協力があったからだと思います。
 阿部区長さんには道具を借りたり、生活面でも色々とサポートしていただいたりと本当にお世話になりました。また、横尾さんや阿部和芳さんをはじめ、多くの方々にも色々とサポートをしていただきました。この場を借りて心より感謝申し上げます。
 
 
 

法政大学大学院デザイン工学研究科建築学専攻下吹越研究室修士1年
稲村陸

山下莉央・飯田光太郎・後藤正太郎・山田智大・松井みか・飯田勇人・村田翔太郎・杉原由樹子・田代祐也・大森惇平


お地蔵様プロジェクト主催|法政大学渡辺真理+下吹越武人インデペンデントスタジオ
開催場所|宮城県石巻市小積浜
協力|東京大学 佐藤淳
お地蔵様プロジェクト 募集概要

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