【レポート】蛤浜の暮らし調査(1)2013年10月23日~11月3日/大阪工業大学 今村雄紀

 大阪工業大学の今村雄紀です。蛤浜での調査をさせて頂いている経緯としましては、9/29-10/1に行われた、蛤浜民家リノベーションワークショップに参加したことに始まります。私はその中で、浜の歴史を調査する班として、蛤浜周辺のお寺や神社、祠の場所を地図にプロットする作業や、それらのお祭りについて、浜の方々にヒアリング行いました。調査の中では、各世帯に祀られた氏神様、港に位置するの蛤神社、山林に位置する山神社など、集落に点在する神社の発見がありました。しかし、3日間の調査期間内では、これらが、なぜ祀られて、どのようにお祭りがなされているのかまで理解することが出来ませんでした。そこで、蛤浜の歴史調査をもう少し深めたいと考え10/23-11/3の12日間、空家となった蛤浜の民家に住み込んで、調査をさせて頂きました。

mini_月報写真¥かき処理場
 
 
 12日間の調査は、民家リノベーションのための解体作業をお手伝いさせて貰いながら、進めていました。民家の解体時には、築80年程経っており老朽化している部分も多く、壁を剥がすとネズミの巣もみられましたが、新築当時の感じることのできる、竹で組まれた土壁をみることができました。このような、壁紙の中で眠っていた浜の歴史が感じられる要素は、今後行われる民家リノベーションにおいて、どのように残すべきなのかという事に興味を持ちながら解体作業を進めていました。

mini_月報写真¥民家の壁を解体
 
 
 蛤浜の調査では、cafe はまぐり堂亀山さんのご協力があり、震災後に転居された方も含めて、5世帯の方にヒアリングを行うことができました。そこでは、ワークショップの際に気になっていた、各世帯で祭っている氏神様のお祭りや、自然環境を活かした自給自足の生活をしていた頃の話を伺うことが出来ました。
氏神様のお祭りの際には、祠にお供えをするだけでなく、隣近所2,3軒の方を家に呼んで赤飯や、おくずかけ、さしみを振る舞っていたそうです。また、自給自足の生活をしていた頃には、「沢の上流に、飲み水を溜めておく場所があり、料理に使う水はそこへ汲みに行っていた。」というお話や、「お米を外から確保することが難しかったため、畑で麦を育てて、白米と麦飯を混ぜたご飯を食べていた」というような話を伺うことができました。
最後に、12日間の活動を通して感じたことは、cafeはまぐり堂が出来たことで、集落外から蛤浜に多くの人が来客されていたことも素晴らしく思いました。しかしそれ以上に、震災を契機に転居している住民の方々が、石巻市街地から車で30分以上かけてcafeを訪れていることや、今でも浜の畑を利用されていることが素晴らしいと感じました。今でも浜を利用する理由について、浜に帰って来ていた80代の男性に伺うと、「蛤浜に若い人がいるので、話ができて楽しい。自分も中古の船を買って漁を始めようと思う」と述べられていました。

mini_月報写真¥浜に住まれていた方にヒアリング
 
 
このような、外から来る人も、浜の人も、お互いに幸せになれる環境を作っていくことが、これからの牡鹿半島のあり方を考える上で、重要であると感じました。


大阪工業大学前田茂樹研究室修士2年
今村雄紀


関連プログラム|牡鹿半島アーキエイド・ミニキャンプ2013 蛤浜民家リノベーションワークショップ
民家リノベーションワークショップ主催|明治大学門脇耕三研究室
開催場所|宮城県石巻市蛤浜
開催期間|2013年9月29日ー10月1日
協力|蛤浜再生プロジェクト、長坂常
民家リノベーションワークショップ 募集概要

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