【インターンレポート】5月の活動 / 熊本大学大学院 福本拓馬

こんにちは。アーキエイド地域支援インターンの福本拓馬です。
今回のレポートでは、5月に行った地域支援インターンの活動についてご紹介したいと思います。

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▲ 宮城県南三陸町防災対策庁舎
 
5月22日に復興の都市計画事業が進む宮城県南三陸町、気仙沼市、岩手県陸前高田市を視察しました。
最初に訪れた南三陸町では、市街地の他、震災遺構となっている南三陸町防災対策庁舎を視察しました。
この建物はチリ沖地震における津波(浸水深2.4m)に対して建てられたもので、
震災時に約30人が地上12mの屋上避難場に避難したものの、その高さを上回る津波が押し寄せ、
多くの方々が犠牲になられた場所です。
3階まで破壊され、鉄骨の構造だけになった建物が、津波の驚異的な高さや威力を伝えてきます。
南三陸町では現在でも、この建物を保存するか取り壊すかで意見が分かれているそうです。

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▲ 宮城県気仙沼市大谷野々下海岸防潮堤
 
次に訪れたのは、宮城県気仙沼市。
上の写真は気仙沼市の大谷野々下海岸の防潮堤を視察した時に撮影したものです。
写真に写っている人の背の高さと比較するとその巨大さが分かりやすいのですが、
高さ9.8mのコンクリートの巨大な壁が海岸を覆っています。
東北の沿岸では、これから同じような防潮堤がどんどん作られて行く計画があります。
実際にこの防潮堤を見ると、地域ごとにそれぞれ特徴的な景観や、海と人との関わりがあるはずなのに、
復興のスピードを重視するあまりどの場所でも同じような防潮堤が並ぶことになる画一的な防潮堤計画に寂しさを感じ、本当にこれで良いのだろうかと考えさせられました。
また、津波から街を「守る」ための防潮堤はもちろん、津波から「逃げる」ための避難路の整備計画も
同じくらい大切なのではないか、防潮堤を維持管理していく費用を自治体が払っていけるのかといった
疑問も持ちました。

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▲ 岩手県陸前高田市市街地のようす

最後に訪れた岩手県陸前高田市では、
街中に張り巡らされた巨大ベルトコンベアーのスケール感に圧倒されました。
陸前高田市では市街地を盛り土して最大11m嵩上げし、新しい街を作る計画があります。
そのために必要な785㎥もの大量の土砂を近くの山を削って、市内各所に運搬しています。
全長3kmにも及ぶこのベルトコンベアーを使えば、
トラックで運ぶと10年かかる土砂の運搬を5分の1の2年に短縮できるそうです。
復興を早めるための巨大な構造物、削られている山、高く盛られた土砂が至る所に存在している陸前高田の街は、今回訪れた地域の中でも、最も復興事業のダイナミックさ、スピードが感じられた場所でした。

また視察の最後には陸前高田みんなの家を訪問し、管理人の菅原さんから、みんなの家について、
普段の使われ方や、みんなの家を訪れる人との交流、震災当時の状況等について貴重なお話を伺いました。
菅原さん、ありがとうございました。

今回訪れた南三陸、気仙沼、陸前高田では、復興都市計画のスケールの巨大さ、街ごとに異なる復興の進み具合、盛り土されている市街地やコンクリート防潮堤等の画一的な風景がひたすら続いていくことへの疑問を肌で感じることができました。

これら3つの地域は、牡鹿半島の鮎川浜や十八成浜と比べると、復興事業が進んでいる場所であると言えます。
これからどんどん具体的な復興が進んでいく鮎川浜、十八成浜のまちづくり。
もちろん、ここでも盛り土や防潮堤、景観に関する問題は避けて通れないものです。
その中で鮎川らしさ、十八成らしさをしっかりと持ったまちづくりをどう実現していくのか。
現在、地域支援インターンとして私が関わらせていただいているのは、その重要な準備段階です。

残り4ヶ月、現地に通いながら、住民の方々の意見を丁寧に反映したまちづくりを
もっともっと前進させたいという思いを強くした、今回の視察でした。

また、十八成浜の復興公営住宅プロジェクトも進行しています。
最近は住宅地の配置検討のために日影図を作成しました。
(日影図とは、建物が造る影を時間毎にシュミレーションして平面図に描きこんだもの)
公営住宅が建設される十八成浜の高台の日照条件から現状の住宅配置計画の特徴や問題点を抽出することで、
より合理的な住宅の配置や美しい景観づくりのためのヒントを探っていきます。
このような設計の進め方は、大学の授業では勉強できない現実のプロジェクトならではのもので、
将来、自分がまちづくりの現場に立った時にも必ず生きてくる貴重な経験であると感じています。
住民の方々への説明のために、大量の資料を作ることは細かい作業も多く、正直大変な部分もありますが、
一つ一つ根拠を確かめながら住宅配置を検討することで、
住民の方々の意見・要望が正確に盛り込まれた美しい住宅地に近づくことができると信じ、
これからも頑張っていきたいと思います。

5月はその他にも、福島県南相馬市で開催された塚原公会堂の落成式や美術館での展覧会プロジェクトのための
打合せに参加させて頂いたりと、仙台の事務局を飛び出して外部の人と関わる機会に多く恵まれました。

お世話になった皆さん、ありがとうございました。
残り4ヶ月のインターン、今後も活動をレポートでお伝えしていきます。
次回もよろしくお願いします。

アーキエイド地域支援インターン

福本拓馬 Takuma Fukumoto

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